2024年5月15日に衆議院法務委員会で「育成就労制度」に関する改正案が審議され、17日に賛成多数で可決されました。改正案は近く衆議院を通過し、参議院に送られる見通しです。岸田総理大臣は導入する方針について説明しました。国際的な人材獲得競争が激化する中で、日本が選ばれる国となるためには、受け入れ制度の魅力を高める必要があるとし、この新制度の導入に理解を求めました。
新制度「育成就労」は、30年続いた技能実習制度に代わるもので、人材育成と確保を主目的としています。この制度では、未熟練の外国人労働者を受け入れ、3年間で「特定技能1号」(在留期間は最長5年)の資格を得られるよう育成します。受け入れ分野は特定技能の対象分野と同じで、スムーズな移行を目指します。また、「特定技能2号」に合格すれば、家族の帯同が許可され、無期限で就労できるようになり、永住への道も開かれます。
改正案には、外国人労働者のキャリアアップの道を明確にするだけでなく、長期滞在する外国人が故意に税金や社会保険料を支払わない場合には永住許可を取り消す規定も含まれています。立憲民主党はこの規定に反対し、削除を求めましたが、岸田総理大臣は、公的義務を果たさないことを容認すれば不公平感が生じるとし、適切に運用すると述べました。
なお、技能実習では原則禁止されていた「転籍」を一定の条件で認めます。
さらに、悪質な送り出し機関への対策として、送り出し国との間で二国間の取り決めを作成し、送り出し機関の認定基準に手数料の上限を設定するなど、悪質な機関の排除を徹底する方針を示しました。
改正案の概要はこちらへ。
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