コラム・取材

ファクトリーラボ株式会社の代表

MOLI

公開日

December 25, 2024

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【佐渡島セミナールポ】地方での外国人採用と定着に向けた解決策をご提供。弊社、代表山本がセミナーに登壇しました。

目次

多くの地方自治体や企業が抱えている若手人材の確保や定着課題。この度、主催佐渡工業会、後援新潟県佐渡市のもと「外国人材雇用説明セミナー」に弊社代表 山本が登壇いたしました。当日は、製造業・建設業・介護・農業等さまざまな業界から約15社様にご参加いただきました。

当日、セミナーでお話しした内容を本記事でも公開いたします!

全国的な人手不足と佐渡市の人口推移

高齢化や人口減少により、2010年代以降から「長期かつ粘着的な」人手不足が全国で続いています。総人口は2050年代には1億人を割り込むとされるデータもあり、2040年には65歳以上の高齢者の割合は35%まで増加することが見込まれています。

地域別にデータをみていくと、1970年代の有効求人倍率は、東海地方で約5倍に達していました。関東・甲信越、近畿でも2倍を超え、三大都市圏で人手不足が顕著であったことがうかがえます。一方で、北海道・東北や九州・沖縄の有効求人倍率は1倍を下回っていました。この傾向は約20年おおむね継続されました。しかし、2010年代に突入すると、三大都市圏とその他地域の有効求人倍率の差が少なくなり、全ての地域で有効求人倍率は1~1.5倍となりました。このことから、人手不足は全ての地域共通の課題となったことが分かります。

今回、セミナーを行った佐渡市も同様に2004年~2020年の16年間で約17,000人の人口が減少。そして働き手世代は同期間で12,000人減少に推移しました。

外国籍人材雇用で解消可能な課題

このような人口減少の中で外国籍人材の採用は人手不足解消の1つの手段として多くの企業で雇用が進められてきました。コロナ渦後に経済活動が戻ってきたことにより、外国籍人材雇用に拍車がかかり、2023年には外国籍労働者数は2,000,000人を突破しました。

 外国籍人材の雇用で解消できる課題としては

企業が抱える課題解決方法
社員の高齢化。若手の確保ができない。東南アジアの若い求職者を採用できる。平均年齢は25歳。
人員不足により増産や複数現場の対応・受注ができない海外から人材を呼びせることも可能。
採用人数に対して2~3倍の求職者を集客
採用活動に経費をかけても採用ができず、無駄なコストが嵩む成果報酬型のため、無駄な広告掲載費を削減

端的にまとめると外国籍人材採用は【日本人採用よりも無駄なコストを抑制し、若い人材で人手不足を解消】できるという強みがあります。

◎参考記事:【ラボニュー Vol. 01】“彼女たちのおかげで現場の雰囲気も明るくなった!” ~受入企業様への取材~

 では、なぜ多くの外国籍人材が日本での就労を希望するのでしょうか。円安に関するニュースを頻繁に目にする中、外国籍人材に日本を選んだ理由を伺うと次のような声をよく聞きます。

・日本の高技術を習得したい
日本人の働き方、技術、日本語を習得してキャリアアップに繋げたい
・日本文化への憧れ
お祭りや花見等の季節行事・文化、幼少期から日本のアニメを見て育っている
・母国より賃金が高い
国によっては母国の平均月収20,000円程度。母国にいる家族の経済のために働きたい。

◎参考記事: 海外から見た就労先としての日本〜タイ編〜

◎参考記事: 【インタビュー】日本への憧れと課題:親日国インドネシアの日本語教育と人材採用で直面する挑戦 日本語塾経営者にインタビューしてみました!

上記はあくまで一例ですが、それぞれの課題に合った在留資格や外国籍人材を雇用することが慢性的な人手不足解消の糸口となるケースがあります。

雇用事例① 佐渡精密株式会社様

セミナーの中では、実際に外国籍人材を雇用している佐渡精密様も登壇されました。こちらの企業では現在、3名のインドネシア人特定技能人材を雇用しております。3名の内、2024年9月にインドネシアから来日したディキさんも大勢の参加者の前に立ち、緊張しながらも日本語で自己紹介や今までの経歴について話しました。

ディキさんは以前、技能実習生として別の企業で実習経験があり一度インドネシアに帰国しましたが、特定技能として再度来日しました。本人からは「会社の人も佐渡島の人もとても優しいし、自然が豊かでとても良い環境です。佐渡島に来てから釣りが趣味になりました。」とお話をされていました。

セミナー参加者様からは実際に雇用している企業の生の声を聞けて良かったなどのお声をいただきました。また、ディキさんの日本語力が高く問題なくコミュニケーションが取れるため驚かれている様子が見受けられました。◎

◎参考記事:【顧客事例】海の向こうから佐渡島へ|初めての特定技能人材を採用

雇用事例② 株式会社佐竹製作所

 弊社の親会社である、佐竹製作所での雇用・定着事例についてもお話しいたしました。現在、工場や本社・関連会社を含め中国・台湾・タイ・インドネシア・ベトナム等から約100名の外国籍人材が活躍しています。

 工場のある山形県飯豊町は人口6,000名に対し、65歳以上の高齢者が2,700名という地方工場であり、外国籍人材採用前はさまざまな課題を抱えておりました。

<当時の課題>
・工業高校の定員割れ、地元で新卒が採れない
・パート募集しても応募がこない
・ハローワークで人材枯渇、応募者ゼロ
・人材が定着せず、補充を繰り返す

ファクトリーラボでは、このような課題を外国籍人材登用により解決した事例・ノウハウがございます。その他にも、雪国で近くにコンビニやスーパーがない立地の中、どのように外国籍人材を集め定着率を上げたのか自社経験をもとに、ヒントをご提案いたしました。

◎参考資料:【セミナーレポート】あの中小企業の地方工場には海外人材が集まるのか? 

最後に ~地方地域での外国籍人材雇用のポイントとは?~

 外国籍人材は都会志向が強く、希望勤務地を聞くと東京や大阪と言った大都市を希望することが多い傾向があります。その中で、地方にある企業が優秀な外国籍人材を継続して確保していくためにはいくつかのポイントがあります。

業務以外のサポートを充実させる

日本語学習機会の提供や食料品の買い出しサポート、母国の調味料の手配支援等をすることにより、生活面での満足度を高め定着率向上を促します。また、こういったサポートの充実は外国籍人材のコミュニティで良い口コミを増やすことができ、継続した人材確保に繋がります。

海外からの招聘を活用する

 日本国内で就業中の人材は、現職給与や条件と転職先の条件を比較します。そのため相場より高い給与水準や利便性がないと、なかなか転職に踏む込みことは難しいです。一方で、海外在住者の場合、比較対象が母国給与となるため転職時の要望が低い傾向があります。

積極的なキャリアアップを促す評価制度の整備

 人材の定着率を高めるには、外国籍人材がどういった形で評価されるのかを明確にすることも大切です。定期的なフィードバックの機会を設け、どこがいけなかったのかだけでなく、何を解決すれば評価につながるのかを伝えるようにしましょう。将来的に独立したいのか、どのような技術を会得したいのか、家族がいる場合は日本に呼び寄せるプランはあるのか、人材によって目指す未来やモチベーションは違うので、複数のキャリアパスを提案できる環境作りが定着率向上に繋がります。

<最後に>

Factory labでは外国人を集めにくい地域でも人材を集めることができるだけではなく、親会社の佐竹製作所を始めとした外国人定着のノウハウが多くございます。初めての外国人雇用で不安を感じられている企業や外国人雇用に悩みや課題を感じられている企業は是非一度、お気軽にご相談ください。

<参照>

令和6年版 労働経済の分析 -人手不足への対応-厚生労働省2024 .

https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/24/dl/24-1-2-1.pdf

「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和5年10月末時点)

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37084.html

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